中高年失業中日記「深夜労働の終わりにあたって(長文)」2012/01/18 19:25:10

投稿者: イクタシバ イタル
タイトル: 深夜労働の終わりにあたって(長文)
日付: 01/18/2012 19:25:10
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■1月11日水曜日の深夜労働に出かける10分前に採用内定通知書を受け取った私は、次なる行動に出た。それは深夜労働をしている弁当工場に対して退職する意思を伝えることだ。退職届の用紙はもうすでに手にしていた。まだ「ぬか喜び」に終わるかもしれないと思いつつも、決まればすぐに提出しようと事前に事務所にある各種申請書類という抽斗から有給届けの用紙と共に入手していたのだ。もし「ぬか喜び」で終わったとしても、先日やっと手に入れた有給取得行使の権利は行使するつもりでいたから、どうせならついでと思い退職届の用紙ももらっておくことにしたのだ。そして何を隠そうその退職届に先走りで記入もしていた。もちろん退職日に関しては、まだ内定が確定していなかったから空白にはしていた。内定が確定した暁には、そこから2週間先の日付を記入すればいい状態にしておき、頼むから内定してくれよと願っていたわけである。そして内定確定が現実となった。もう私に深夜労働先を退職することに躊躇する必要はなくなったのだ。

 採用内定通知書を手にした私は、急いで退職届に退職希望日を記入した。契約上、本人の都合による場合は遅くとも2週間前に届け出ることになっていたことと、週末ならキリがいいだろうという勝手な判断により、希望日は1月27日金曜日とした。これなら届け日を今宵の日付(1月11日)として、2週間前という条件は十分満たしている。だから、やはりこれは今宵提出すべきだと思った。
 もし今宵これを出さないままであるとどうなるか? 翌日1月12日木曜日は私は休日であるため、提出するのが13日金曜日の夜遅くになってしまう。そうなると労務担当者がそれを手にするのは、その翌朝、つまり14日土曜日の朝ということになって、それではギリギリ2週間前となってしまうから、ひょっとしたら1月27日金曜日の退職が難しくなってしまうかもしれない。最悪は今月末に退職できれば、それでも問題はないのだが、少しでも体を元のリズムに戻しておきたいと考えていたから、やはり入社までに数日のインターバルは欲しいところである。

 深夜労働先に着くなり事務所に向かった。そこにはいつものように管理部パートスタッフのオバチャンがいた。工場が1年365日24時間稼働している都合上、事務所には必ず誰かしらが在席しているのだ。
「これは、誰に渡せばいいですか? リーダーですか? それともこちらでいいのですか?」
 事務所に入るなり退職届を差し出して、私がそう訊いたものだがら、パートスタッフのオバチャンは一瞬面食らったような顔をした。
「こちらでお預かりします」
 極めて事務的な口調の答えが返ってきた。どうやらこういうことには慣れているようにも見え、続いてすぐに「また労務の担当者からすぐに連絡があると思いますから」と付け加えてきた。
「よろしくお願いします」
 そう言って私はすぐに更衣室へと向かい、この夜はいつもどおり作業をこなして、翌12日木曜日の朝に帰宅した。

 1月12日木曜日はお休みの日である。労務担当者から何か連絡があるだろうかと、常に携帯を手にしていたのだが、特に何も連絡はなかった。おそらく明日13日金曜日の夜に出勤した際に労務から何かしらの連絡が入るのだろうと思っていた。だが13日金曜日の夕方に突然私の携帯がブルブルと震えた。発信者は深夜労働先だった。急いで電話に出ると相手は労務担当者だった。
「退職届を提出されているんですけど、これは有給をすべて消化して辞められるということでしょうか?」
 有給って、いきなり2週間後に辞めたいって申し出た人間が有給なんて取れるの? 、しかも「すべて消化」って、そんなことできるの?
「もし有給をすべて消化して27日に退職するのであれば、今夜がラストになるんですけど」
 そう言われてたしかにそうだと思った。14日後の14日には、いわゆる公休が4日あるから、出勤するのは実質10日間で、それを有給に当ててしまえば、相手が言うとおり今宵がラストとなる。だが、そんなことができるのか?
「有給って全部消化していいんですか?」
 恐る恐る労務担当者に訊いてみた。
「それは労務の方で決めることではないので、現場のリーダーとお話してもらえますか?」
 事務的ではあるが明るい口調だ。更に「有給行使は皆さんの権利ですから」とも続いたから少々驚いた。企業ってもんは労働者が有給を取ることには比較的渋い顔をするのが常だ、と過去の経験から私はそう思っていた。こうも簡単にこちらの権利を容認するところって珍しい。
「今日の深夜担当リーダーはTさんですから、出勤された際に話をして正式な退職日と有給をどうするか話をして決めてもらって、改めてこっちに伝えてもらえますか? それでこちらの処理はしますので」
「はあ……」
「Tリーダーには、こちらからもそう伝えておきますから」

 その夜、弁当製造工場に出勤した私は、すぐにTリーダーを探したのだが、姿が見えない。おいおい、どこにいるのだ? と思っていたら、後ろからいきなり「イクタシバさん!」と声をかけられた。振り向くとTリーダーがいて私に近寄ってくる。さてさてTリーダー、いきなり退職届を出した私をどう思っているのだろうか。お互い、衛生帽とマスクに覆われた顔からは両目しか露出していない。それだけではどちらもお互いがどういう表情をしているのか判断がつかないのだ。さあ、何と言って話を切り出すか。
 そう思っていたのだが、先に話を切り出したのは、Tリーダーだった。
「退職するんですって?」
 口調は柔らかく不機嫌さは微塵もない。むしろ何かこちらに申し訳ないというような雰囲気だったから、戸惑った。
「労務から話が行ったと思うんですけど、急で本当に申し訳ないんですが、そういうことなんです」
 私も申し訳ないという雰囲気を前面に出してそう答えた。
「やっぱり何か嫌なことでもあった?」
 やっぱりって? 何か嫌なこと? えっ、どういうこと?
「いえ、単に個人的な都合なんですけど……」
「この前、右足を引きずっていたじゃないですか。『加工場で足を痛めた』って言ってたから、ひょっとして本当は変なことでも起こって、それで嫌になっちゃったんじゃないかって」
 たしかに嫌になることは、たくさんあった。だが、辞めるのはそれが理由ではない。
「いえいえ、そういうわけじゃないですからご安心を」
 そう答えてもTリーダーは、何か納得はしていない様子だった。
「それで退職日とか有給行使とかは、Tリーダーと相談して決めてくれって労務から言われたもんですから」
「うん、そうね」
「急に辞めるっていうのは皆さんに迷惑かけてしまいそうなんで……。一応契約上14日後ってなってますから、2週間後の金曜日かなって勝手に思ったんですわ。それと有給はありますけど、もう来週とかの人員計画も終わってるでしょうから、取らなくてもいいかなって思ってます」
 嘘偽りなくそう思っていた。辞めるにあたってはやはり円満に辞めたい。変に有給行使云々を主張して話をこじらせたくもなかった。
「いや、いいよ」
「えっ?」
「こっちから、いついつまでとか言わないし、有給も残っているのなら全部行使してくれていいですよ。全部イクタシバさんが決めてくれたら、こっちでスケジュールは組み替えるし……」
 そう聞かされて嫌味でそう言っているのだと思った。
「じゃあ、有給全部行使するってことで、今日いきなりラストでもいいんですか?」
 売り言葉に買い言葉のようにそう答えた。
「それでもいいです。いきなり来なくなることに比べたら、こうやって事前にきちんと話を通してくれたら、それだけでもありがたいですから」
 あれっ? 何か感謝しているような口調だ。
「今まで毎月のように何人もの人がいなくなったりしているでしょ。あれって皆、いきなり『辞める』って電話があって、それっきりもう来なくなっちゃうの。何の連絡もなしにいきなり来なくなった人もたくさんいてるのよ」
「そうなんですか」
「うん。イクタシバさんは、わかってくれてると思うけど、当日にいきなり予定していた人が来ないっていうのが一番困るのよ。来てもらえることを前提にその日の工程とか組んでるじゃない。なのに、いきなり欠勤だなんて言われると、もうその抜けた人の代わりをどうしようかって、本当に僕、パニックになっちゃうのよ。だから、僕だけじゃなくて他のリーダーも毎晩朝礼で『当日欠勤だけはしないようにしてくれ』って口をすっぱくして言っているんだけど、それでも毎日何人かが当日欠勤してるの。そういうのが一番困るのよ」
 どうやらさっきの言葉は嫌味ではないらしい。
「たしかに、それで私もとばっちりを受けたことが何度もありましたわ」
「でしょ! それに病気なら仕方ないだろうけど、明らかにズル休みだろってわかるケースばかりだからさ、本当に嫌になっちゃうよ、実際」
「人知れず苦労しているんですね、リーダーも」
「そう、苦労してるのよね、ハハハ」
「なのに辞めるのは心苦しいんですけど……」
「いいよ、いいよ。こうやって事前にきちんと話を通してくれたら、それだけで十分。だって事前にわかっていたら、予定は組み代えれるもん」
「すいません」
「本当にイクタシバさんみたいに、こうやってきちんと筋を通してくれる人は珍しいよ」
「本当ですか?」
「いや、ほんとほんと! だからもう日にちはイクタシバさんが決めて労務に伝えてくれたら、それで構わないよ。今夜をラストにするなら、それでもいいし」
「いや、いくら何でもそれは申し訳ないです。最低限、次の公休までの3日間は出ますから」
「律儀だなあ。有給全部使わないともったいないよ」

 こんなやり取りに少々拍子抜けした。多分、渋い顔をするんだろう、そして「可能な限り出てくれ!」って言われるのだろう、有給も1日取れたらいい方だろう、と思っていた。それが蓋を開ければ、こっちの好きにしてくれたらいいと言われた。有給も「使わないともったいないよ」とまで言われた。今までいくつかの企業に在籍したが、辞める際に話がこんなに簡単に進み、こっちの好きなようにしていいと、しかも有給も残っているなら使わないともったいない、とまで言われたことなど一度もなかった。渋い顔をされ、ギリギリまで退職を延ばされ、もちろん有給なんてほとんど消化できずに辞めるというパターンが常だった。
 弁当製造工場といっても、さすがは一部上場超有名企業の直属子会社だけのことはあって、労務面の管理等、企業コンプライアンスは、やはりそこらの中小企業なんかよりも遥かに厳格なようである。勤務評価の悪い人間の首を簡単に切る以上、逆にきちんと勤務している人間にはそれ相応の対応をしているようだ。だから私に対しても労務担当者はきちんと「有給行使は皆さんの権利です」と話してくれたのだろう。
 また、リーダーと呼ばれている人間たちも、実は待遇は私とさほど変わらないのだ。彼らもやはり非正規であり、私同様、単にフルタイムで勤務している都合上、契約社員という扱いにはなってはいるが、時給制で、それに別途リーダー手当がついているだけ。勤務評価が悪ければ、工場側からいとも簡単に契約更新を拒否される、つまりは馘になるという身の上であることは、私と何ら変わらない。だからだろうな、「有給全部使わないともったいないよ」って言ってくれたのは。

 このような経緯があって、結局その日から次の休みの日までの3日間は出ることにして、後は有給をすべて行使することにした。リーダーも労務もそれをすんなりと受け入れてくれた。思うにこういう面だけを考えれば、弁当工場といいつつも、ある意味非常にきちんとした職場だったのかもしれない。果たして次の職場にここまでの器量があるだろうか。

 その夜、つまり1月13日の夜はそのまま、いつものように作業に没頭した。明けて翌14日土曜日の朝、今度は朝のリーダーHが私の元にやってきた。
「イクタシバさん、辞めるんですか?」
 やはり衛生帽とマスクに覆われた顔からは両目しか露出していないから、Hリーダーがどういう表情をしているのかわからない。口調は穏やかだったが、このHリーダーは何にしろ穏やかな口調で話をする人だったから、実際に今どういう感情でいるか、私にはわからなかった。
「ええ、急で本当に申し訳ないんですが、辞めさせていただくことになりました」
 そう言って頭を下げた。
「やっぱり何か嫌なことがありましたか?」
 そう訊かれてちょっとびっくりしたが、リーダーが一様にこういうことを訊いてくるというのは、やはり今までにそういったことが原因で辞めていった人がたくさんいるのだろうと思った。
「昨夜、Tリーダーにも同じ事を訊かれたんですけど、やはりここはそういうことが多いんですか?」
 この際だ、単刀直入に訊いてみようと思った。
「いや、あの、そういうわけではないというか……、まあ色々あるみたいなのは確かなんですけど」
 マスクの向こうで苦笑しているのがよくわかった。それだけで十分だったから話を元に戻すことにした。
「辞めるのは本当に、単に個人の都合です。ここで何かあったわけでも何でもありませんから、ご安心を」
 マスクに隠れてはいるものの、私の笑みをHリーダーは認識しただろう。
「仕事が決まりましてね」
「何の?」
「私、元はシステムエンジニアの仕事をしていたんですけど、この不況で仕事がなくなってしまって、やむを得ずここにお世話になっていたんです」
「システムエンジニアって、コンピューターの?」
「ええ」
「へぇー、それはすごい仕事ですね」
 いやいや、大したことはない。それに挙句の果てに遠回しにリストラされた身だ。もちろんそれを話す気はないが……。
「本当にHさんには色々お世話になったのに、申し訳ないんですけど」
「そうですか。残念ですけど仕方ないですね」
「色々とありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそありがとうございました」

 1月14日土曜の夜、同じ時間帯に働く二十代後半の男性同僚に、実質上明日の夜がここで働く最後の日だと告げた。彼は3ヶ月ほど前に入った人間なのだが、彼とは同じ部門で同じ時間帯に働いていた好みで、よく他愛もない話をする間柄だった。女性が圧倒的多数を占める部門であったが故に、私にとっては貴重な男の同僚だった。
「えーっ、辞められるんですか、イクタシバさん!」
 彼の目に若干泣きが入っていた。ごめんよと思いつつも何か可笑しかった。
「寂しくなりますわー」を連発する彼。
「大丈夫、君ならオバサン連中の中でも十分やっていける!」
 そんな言葉を宙に飛ばす。きっと励ましにもならないだろうな。だが、すまん。こればっかりはもうどうしようもないのだ。

 1月15日日曜日になった。この夜が実質上、深夜労働の最後の夜である。きっとこの職場の色々なものが少しは愛おしく思えたりするのだろうな、と思っていたが、実際は全然そんなことはなかった。というのも、その夜のリーダーはアジア系某国人リーダーだったからだ。以前、このブログにもこのリーダーのことに若干触れたことがあるのだが、他のリーダーたちに比べて、このリーダーは段取りが本当に良くない。同じ状況下であっても他のリーダーであれば、決まった時間に休憩が取れるのだが、このリーダーの場合は例外なく休憩が後ろにずれ込むのだ。そしてこの夜もやはり後ろにずれ込んだ。それも今までで一番遅い時間帯にまでだ。だから悠長に辞めるにあたって感慨深げに物思いする暇など一切なかった。
 気がついたらもうオバサン連中は上がる時刻になっていて、結局誰にも自分が今夜が最後だと告げれなかった。嫌なババアも何人かいたが、世話になったオバサンがいたし、最初はやなオバハンだと思っていたが、打ち解けたら以外といいオバハンだったという人も何人かいた。何か一言くらいお礼を言いたい気持ちがあったのだが、熟慮した結果やめにした。
 何と恩知らずな、とか、礼を知らん人間だ、などと批判されるかもしれないが、これには私なりに気を使ったという面もあるのだと言っておこう。つまり、あのようなたくさんのオバサンやバアサンたちがひしめく職場では、そこに複雑な人間関係が構築されていて、派閥やグループといった類はもちろん、妬みや陰口で繋がっている人間関係もあるし、裏切りの構図による繋がりもあったりする。本当に男の私では理解できない人間模様が、これでもか! というくらい存在しているのだ。そんな環境の下、例えば私からの挨拶があったなかったで、また陰で揉めるような事が発生しないとも限らない。言っちゃ悪いが、この職場の女性たちの中には、そういうことを根に持つ人が多いのも事実なのだ。(私にはそういうのがまったく理解できないのだが……)ならばいっそ誰にも挨拶をすることなく黙って消えた方が、皆一様に「何と礼儀知らずな男や!」と変にまとまってくれるのではないか。考えすぎなのかもしれないけれど……。

 そうして、とうとう終わりがやってきた。朝の朝礼が始まった。それは私の退勤時刻を意味する。皆が朝のリーダーの話を聞いている中、いつものようの小声で「お先に失礼します」と言ってその場を離れた。そしてゴム製の手袋を脱ぎ取り、次にビニール製のエプロンを脱ぎ去って、最後に顔を覆っていたマスクを手で強引に剥ぎ取って、それらをクシャクシャと一纏めにしてゴミ箱に投げ捨て、朝礼が続く作業場を振り返ることなく後にした。
 更衣室に入って制服を脱いで私服に着替えると、ロッカーの中に残していたものをすべてバッグに詰めて更衣室を出た。事務所によって自分の名札をひっくり返し、そそくさとそこを出るとそのまま足早に通用門をくぐった。そしてそこで立ち止まり、改めて振り返ってしげしげと弁当製造工場を眺めた。
「そうか、ここってこういう建物だったんだな」
 出勤時はいつも暗闇の中を歩いて工場の通用門をくぐったし、帰りは朝陽があたる中を振り返ることなく最寄駅へと足早に向かっていた。だからこの時までこの弁当製造工場の建物をまじまじと見たことがなかった。
 この建物の中には今も数百人もの人間が凄んでいる。日本人、南米系某国人、アジア系某国人、老若男女、色々な事情を抱えた人間が1年365日24時間ひしめき続けているのだ。そして今の今まで自分もその一人だった。会社勤めをしていた頃、こんな世界がこの世に存在しているなんて夢にも思わなかった。失職して無職になり、もうどうしようもなくなっていた頃、薄給ながらもやっとここに働く場を得た。ここで少しでもお金を稼ぎ、何とか家族を養いながら転職活動をしようと決め、それを実行した。そして正社員として再就職するという大願を成就することができた。もう少ししたら、また昔のような会社勤めに戻っていく。そしてそうなればいつかは昼飯に某コンビニエンスストアで売られている弁当を手にするだろう。そしてその時私は間違いなくその弁当のフタに貼られたラベルに、この弁当製造工場の名を探すだろう。その時私の心にはいったいどんな思いが去来するだろう。
 ここで働けていなかったら、今の自分はなかった。ろくでもない人間関係がひしめく職場だったが、それでも色々な経験をした。今はそれらをも含めて自分の中に感謝の気持ちが溢れている。

 帽子を脱いで背筋を伸ばし、弁当製造工場に向かって深々と頭を下げた。そして小さな声で呟いた。
「ありがとうございました。でももう絶対ここには戻ってきませんから」

 踵を返して駅へと向かった。そして歩きながらいつか絶対にこの経験を元にした小説を書こうと誓った。タイトルは「失職男 イン ワンダーランド」に決めた。
 

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コメント:
投稿者: 旅人
日付: 01/18/2012 18:30:47
タイトル: いい話ですね。
ひと仕事を無事にやり終えた人の達成感や安堵感のようなもの、
そして御世話になった工場やそこで働く人々への温かい感情が、
溢れていて爽やかさを感じました。
小説のエンディングのタイミングはここかもしれないですね。

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コメント:
投稿者: kato itaru
日付: 01/18/2012 20:44:26
タイトル: おめでとうございます
旅立ちですね。
すみません。 私自身、冷静ではいられないようなお話です。 ここに戻らないように、次で羽ばたけるように祈っています。
頑張ってくださいね。
そして、最後をちゃんと締めくくりましたね。
尊敬します。

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コメント:
投稿者: 役小角
日付: 01/18/2012 21:07:34
タイトル:
「中高年リスタート日記」のはじまりですね。

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コメント:
投稿者: シマらいおん
日付: 01/19/2012 00:44:51
タイトル: 才能
はじめまして。今年になってから、このブログを拝見しております。

そして、過去のログを8月まで読みました。
ゆっくり、9月以降も楽しみたいとおもいます。

貴殿のような優秀な方でも再就職で苦労したのですから、私のような凡人では、再就職出来ても、一生アルバイトで終わると自覚しなければなりませんね。

長文になってしまいますが、私も上司(経営陣)とトラブルになり、退職した経験があります。
直属の上司は、「俺は、マイナスの評価をしない」だの「俺が楯になる」だのと言っていましたが、経営陣と私の退職についての面談では、保身を貫きました。今思えば自分の身を守るのは当然ですですね。イタリアの客船の船長も逃げ出すのですから。
すみません、話がそれました。私が退職せざるを得なくなった1番の原因は、私が自分自身がそこそこ優秀だと思っていたからです。もし、クビになっても何とかなるだろうと。上司や経営者によく反発していたのですが、ハイハイと言われたとおり仕事していれば、退職することは無かったのでした。再就職活動して、10月後にようやく再就職が決まって、そこで働いて、ようやく気が付きました。
自分自身の能力の無さを…。

長くなってす

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コメント:
投稿者: イクタシバ イタル
日付: 01/19/2012 10:35:11
タイトル: Re: いい話ですね。
旅人さん こんにちは
コメントありがとうございます。

> ひと仕事を無事にやり終えた人の達成感や安堵感のようなもの、
> そして御世話になった工場やそこで働く人々への温かい感情が、
> 溢れていて爽やかさを感じました。

 ありがとうございます。

> 小説のエンディングのタイミングはここかもしれないですね。

 そうですね。おそらくそういう形になるのかなと思っていますが、小説にする際はもっとまともな文章にして推敲もして、きちんとしたものにしたいと思います。まあ、それが実現するのは、まだまだずっと先のことになると思いますけどね(笑)。

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コメント:
投稿者: イクタシバ イタル
日付: 01/19/2012 10:40:31
タイトル: Re: おめでとうございます
kato itaruさん こんにちは
コメントありがとうございます。

> 旅立ちですね。
> すみません。 私自身、冷静ではいられないようなお話です。 ここに戻らないように、次で羽ばたけるように祈っています。
> 頑張ってくださいね。

 ありがとうございます。

> そして、最後をちゃんと締めくくりましたね。
> 尊敬します。

 深夜労働に関しては、手続き上はまだ切れていないのですが、実質上は締めくくれたかなと思っています。しかし、ああいう締めくくり方(リーダー以外は誰にもきちんとお礼の挨拶をしなかった)で本当に良かったのだろうかと、その点はちょっと心残りなところです。
 私なんか尊敬してもらえるほど立派な人間ではありませんよ(笑)。 

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コメント:
投稿者: イクタシバ イタル
日付: 01/19/2012 10:42:02
タイトル: Re: タイトルなし
役小角さん こんにちは
コメントありがとうございます。

> 「中高年リスタート日記」のはじまりですね。

 このブログのことでしょうかね?
 ブログは今もどうするか答えが出てません。近々結論は出すつもりですけど……。

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コメント:
投稿者: イクタシバ イタル
日付: 01/19/2012 10:52:36
タイトル: Re: 才能
シマらいおんさん こんにちは
コメントありがとうございます。

> はじめまして。今年になってから、このブログを拝見しております。

 ありがとうございます。

> そして、過去のログを8月まで読みました。
> ゆっくり、9月以降も楽しみたいとおもいます。

 えーっと、もしかしたらいきなり「閉鎖」する可能性が「無きにしも非ず」ですので、その点は悪しからずご了承下さいませ。

> 貴殿のような優秀な方でも再就職で苦労したのですから、私のような凡人では、再就職出来ても、一生アルバイトで終わると自覚しなければなりませんね。

 私なんて特に優秀というわけではないですよ。むしろどこにでもいる凡人、もしくはそれ以下です。単に諦めずに足掻き続けていたら、チャンスが目の前にやってきて、それをつかめただけですから。

>
> 長文になってしまいますが、私も上司(経営陣)とトラブルになり、退職した経験があります。
> 直属の上司は、「俺は、マイナスの評価をしない」だの「俺が楯になる」だのと言っていましたが、経営陣と私の退職についての面談では、保身を貫きました。今思えば自分の身を守るのは当然ですですね。イタリアの客船の船長も逃げ出すのですから。
> すみません、話がそれました。私が退職せざるを得なくなった1番の原因は、私が自分自身がそこそこ優秀だと思っていたからです。もし、クビになっても何とかなるだろうと。上司や経営者によく反発していたのですが、ハイハイと言われたとおり仕事していれば、退職することは無かったのでした。再就職活動して、10月後にようやく再就職が決まって、そこで働いて、ようやく気が付きました。
> 自分自身の能力の無さを…。
>
> 長くなってす

 私は自分で自分のことを優秀だなんて思ったことは一度もありません。ですが、IT業界ならこの不況でも仕事はあるから、少し時間はかかってもどこかが雇ってくれるだろう、という安易な気持ちは持っていました。そして散々な目に会いました。この2年の間で、自分自身の、社会における価値の無さを思い知りました。
 自分がいかほどの人間なのか、自分で自分を知っておくことは、やはり大事だと痛感しています。

よろしければコメントなどを……