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【書評】第156回芥川賞 山下澄人著「しんせかい」を読みました。一風変わっています^^

第156回芥川賞 山下澄人著「しんせかい」
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こんにちは。ネオです。

今回の記事では、第156回芥川賞 山下澄人著「しんせかい」の書評をお送りします。
やっぱり、一般の感覚から言うと「芥川賞」に選ばれる作品って、ちょっと個性的と言うか、風変わりな感じを受けるのはわたしだけでしょうか?

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◆山下澄人さん

さて、「芥川賞」とは純文学の賞となっており、純文学とは純粋な芸実的感動を伝える作品とよく解説されていますが、ネオには??(笑)

今回の「しんせかい」は作者、山下澄人さんの富良野塾2期生時の経験をベースに書かれていると思います。前回の芥川賞「コンビニ人間」も作者、村田沙耶香さんの自身のバイト先(現役)であるコンビニが舞台ですし、153回の又吉さんも自身の活躍するお笑いの世界…やっぱり経験者が表す知らない世界は人を引き込むのでしょうか?

兵庫県神戸市出身。神戸市立神戸商業高等学校(現神戸市立六甲アイランド高等学校)卒。倉本聰の富良野塾第二期生。
1996年より劇団FICTIONを主宰。
2011年より小説を発表しはじめる。
2012年、「ギッちょん」で第147回芥川賞候補、同年初の創作集『緑のさる』で第34回野間文芸新人賞を受賞。
2013年、「砂漠ダンス」で第149回芥川賞候補。同年、「コルバトントリ」で第150回芥川賞候補。
2016年、『鳥の会議』で第29回三島由紀夫賞候補。
2017年、「しんせかい」で第156回芥川賞受賞。
富良野塾生として[編集]

Wikipediaより

神戸の方なんですね。実はネオも神戸ですので、少し親近感がわきますね。

◆倉本聰さんと富良野塾

倉本聰さんの説明はいらない程の、有名な脚本家です。

代表作はやっぱり「北の国から」でしょうか。その倉本さんが、次の俳優や脚本家の育成の為に私財を投じて作ったのが、富良野塾です。

この塾は受講はなんとタダ!2年間塾生は共同生活をしながら、地元の農協や農家などの農作業や炭焼きなどをお手伝いさせて頂いて、生活費を自分たちで稼ぐと言うスタイルで当時としても珍しい施設です。ただ今はありません。倉本聡さんの体力の限界を理由として2010年4月4日25期卒業生を送り出して幕を閉じています。

そこの2期生が、作者の山下澄人さんで富良野塾を卒業して劇団をつくり、小説の発表を始めるわけですから、正に表現者としての原点の場所と言う事でしょう。

◆【書評】第156回芥川賞 山下澄人著「しんせかい」

第156回芥川賞 山下澄人著「しんせかい」

※注意して書きますが多少のネタバレはあります。

これは、わたし自身の素養の問題だとは思うんですが、純文学ってやつはとっかかりと言うか、読み始めと言うか入り込みにくい…直木賞作品はすーと入って行けるんですけどね。

物語は主人公のスミトが付き合っているのかいないのか、よく分からない女の子にこれから遠くへ行くと告げるところからはじまります。行き先が富良野塾をモデルした施設ですが、主人公はとんと人とのコミュニケーションが苦手と言うか、その事も気にしているかしてないか?って言う青年です。

倉本さんがモデルであろう、先生・施設スタッフ・先輩の一期生・同級の2期生との人間関係を描いている場面があります。ただよくある人間関係に悩むとかじゃなくて、たんたんとスミトの心模様とちょっと世間ずれした発言で、物事が動いたり・動かなかったりが時系列でずーと続きます。

本の3分の1が過ぎる頃まで入り込めず、もう意地で読んでた!(笑)

ただ、何となくその世界に入りだしたと、わたしが感じたあたりからは一気に読みました。

心の描写が「単純で複雑」←なんじゃそれ?っと思うでしょうがそう感じるからしょうがない…

事の流れは、入塾して2年で卒業する間の主に一年目を描いているってだけの内容で、エピソードも特別すごいものはありません。

スミトの心を読み取らないと、面白くない作品です。

筆者には荷が重すぎたかな?と思いますが、途中から一気に読んでいる間は何かが面白かったとしか言いようがない…苦笑、書評になっていないですね。

また純文学の壁の高さを感じつつも、読んで良かったとは思える作品でした。純文学好きにはおそらくたまらない作品なんだろうな~

では、またお会いしましょう。by ネオ